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特別なおもてなしだけではなく日々の笑顔も。CAが織りなすホスピタリティとは?

藤田恵梨

CAはお客様の声にならないご要望を拾う事が得意ですが、お客様に喜んでいただく為のホスピタリティの発揮の裏側にはどの仕事にも共通する大切な事があります。ホスピタリティとは?リアルエピソードを元にお話します。

CAはホスピタリティのプロ

皆さんは飛行機に乗った時、何かしらの形でCAと特別に関わった事がありますか?

CAと言えば「接客のプロ」というイメージがあるかと思いますが、たくさんのお客様とお会いする仕事柄、様々な理由で飛行機をご利用されるお客様にお会いします。

・新婚旅行

・お祝いのご旅行

・大切な人に会いにいく為のご搭乗   など

そんな事情が分かれば、やはり「何かして差し上げたい」と思うのがCA。

「接客のプロ」であるだけではなく、「ホスピタリティのプロ」であるCAたちが紡ぐホスピタリティから生まれた機内でのリアルエピソードと、CAのホスピタリティとはなんなのか、筆者の経験を交えてお話します。




傘寿のお祝いにご搭乗されたご年配のご婦人がいたら?

成田発、中国行きの夜間発の便で窓から覗き込む様に夜景をご覧になっているご年配のご夫婦に気が付きました。

「夜景が綺麗に見えますね。今日はお二人でご旅行ですか。」と声をかけたところ、「傘寿(88歳)のお祝いに子ども達が旅行に連れて行ってくれているの。」とお嬢さん、お孫さんとの家族旅行である事がわかり、それまでのエピソードをお話してくださいました。

さて、ここでお話を伺うだけであれば、「ホスピタリティのプロ」とは言えません。

ご夫婦のお話を伺って、 行動に移すのがCAです。



限られた時間・空間で何をできるかを考えるのがホスピタリティ

CAは「報告・連絡・相談」が代名詞と言っても過言ではない程情報伝達が得意!

ご夫妻の情報は一気に全キャビンのCAへと共有されました。

そのご夫婦はエコノミークラスにいらっしゃったのですが、ビジネスクラス担当の先輩が細いストローの先端にキャンディを付け、束にしてキャンディの花束をご準備。

CAからポストカードにお祝いのメッセージを添えてお渡ししようと、話がまとまりました。

そして私の提案で、最後飛行機を降りられる際にキャビンをバックに写真をお撮りして差し上げられないかチーフに相談をしました。

すると快く許可をしてくれたチーフ。

というのも、飛行機は目的地に到着後、すぐに清掃係員がキャビンの清掃に入り、ケータリング業者が機内食の降載、搭載を行い、次便へ向けての準備がすぐに始まる為、想像以上に時間が限られているのが現状なのです。

その事情も承知の上、私の気持ちを以っての提案だったのですが、チーフは快く許可を下さりました。



お客様の心に残るおもてなしを……

飛行機が降下を始める頃、お客様に「飛行機を降りられる際、ご家族皆さんで写真を撮りませんか?」とこっそり提案したところ、目を輝かせながら「いいのですか!?」とこちらの提案に乗って下さいました。


飛行機は無事、目的地空港に着陸。

大半のお客様がお降りになられたタイミングでいざ、用意してしたキャンディブーケにメッセージカードを添えて傘寿のお祝いをCA全員よりお渡ししました。

そしてお写真も撮られ、大変喜んで下さり、私たちも大変良い気分でその日のフライトを終えました。


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