現役パイロットに聞いた!羽田空港新飛行ルート運用開始で何が変わる? (2/2ページ)
2020年3月29日、夏ダイヤに切り替わるタイミングで運用がスタートする羽田空港の新航空路。新ルート導入で何が変わるのか、現役パイロットに聞いた内容も含めてメリット・デメリットをわかりやすく解説したいと思います。
新航空路導入のデメリット:騒音と落下物の危険性
デメリットとして考えられるのは、騒音と落下物の危険性です。
恵比寿、目黒、大井町、白金高輪といった街が航空路直下となり、最も近いところだと大井町、大井ふ頭の上空300m付近を飛行機が通過していくことになります。
国土交通省もこの問題に関しては対策を講じており、民間航空会社各社の営業便で試験運用を行いデータを集めています。
また、パイロットも騒音対策として、運航上大きな変更点があったようです。
やや専門的な話になってしまうのですが、飛行機は離陸するとすぐにどんどん高度を上げていきます。そのため、低高度で飛ぶ時間は短いのですが、逆に、着陸のときは段階的に高度を下げていきます。そのため、着陸時は低高度で飛ぶ時間が長くなってしまうのです。飛行機が低い高度にいる時間が長ければ長いほど、地上では騒音を感じやすくなりますよね。
その低高度の時間を少しでも短くするために、着陸時の進入高度を従来よりも高い高度で着陸するように運用が変更になったそうです。
また、私は現在日系の航空会社で働いているのですが、整備士や運航乗務員、客室乗務員だけでなくすべての社員が落下物に対しての意識を高め、全社一丸となって落下物ゼロに取り組んでいます。
最後に
飛行機を利用する人も、利用しない人も、安全性は何よりも優先するべきものです。
新ルート導入のメリットは享受しながらも、航空機の運航に従事する立場の方はより一層の安全意識をもって万全の体制で新ルート運用開始を迎えたいものですね。
また、運用開始してからの動きも追っていきたいと思います。