私の不妊治療体験談。原因不明不妊、顕微授精、繋留流産を経て6年で双子を妊娠するまで
5.5組に1組のカップルが取り組んでいると言われる不妊治療。しかし語れる「場」が少なくて一人で悩んでいる方もたくさんいます。私自身不妊治療でとても辛く苦しい思いをしてきました。今回は同じように悩んでいる方の参考になればと思い、原因不明不妊、顕微授精、繋留流産を経て6年で双子を妊娠するまでの、私の不妊治療体験談をお話できたらと思います。
5.5組に1組のカップルが取り組んでいる不妊治療
なかなか話題に出しにくい不妊治療ですが、実は5.5組に1組のカップルが不妊治療を行っているというデータがあります。そして年々増え続けているのです。そこには様々な晩婚化や病気の影響、ストレスやセックスレスなど様々な社会的要因、環境的要因が影響していると言われています。
私自身、不妊治療に悩み、とても苦しく悲しい思いをしてきました。そして、そのことを信頼できる友人たちには話していました。話したい、聞いてもらいたいかどうかは人それぞれですが、こちらから門戸を開いていると「実は私も…」「悩んでいるのだけど、こういう時どうした?」など、相談してくれる人が多いことに気づきました。
そして、このつらかった不妊経験が誰かの役に立つかもしれないと思い、NPO法人Fine認定不妊ピア・カウンセラー資格を取得しました。現在は「妊活カウンセラー」として、妊活・不妊治療に悩む人の伴走者として相談業務などを行っています。
私と同じように不妊治療で悩んでいる方の参考になればと思い、今回私の不妊治療体験談をお話させていただきたいと思います。
私の不妊治療体験談
ブライダルチェックでは異常なし。自己流妊活
私は27歳の時、一つ年上の夫と結婚しました。当時、夫は転勤族で遠距離恋愛からの別居婚を半年続け、仕事をやめて夫のいる仙台へ引っ越しました。
結婚した当初、私はJALで国際線の乗務を担当していました。客室乗務員は「妊娠がわかったその瞬間」から産休に入ることができます。子が3歳になるまで産育休がとれる、という手厚い制度もあり、結婚してから「在職中に妊娠できれば仕事を辞めずに夫について行ける」と算段していましたが、その願いはかないませんでした。当時は「ちぇっ!」くらいにしか思ってなくて、まさかその後、自分が6年も不妊に悩むなんて思ってもみませんでした。
ブライダルチェック(結婚前に行うヘルスチェックのことを指します。具体的には、妊活を始める前に、赤ちゃんへ感染する病気がないか、妊娠や出産の妨げになる病気がないかの検査します)をし、自己流妊活をしつつも妊娠する気配がありません。
29歳で通院開始
しびれを切らし通院し始めたのが29歳の時でした。そのクリニックは一般の婦人科で不妊治療の専門医ではありませんでした。先生や看護師さんに「あなたはまだ若いからダイジョウブよ」と言われ続け、1年半ほど通院しました。人工授精などもしましたがことごとく陰性。そろそろステップアップ(同じ治療を繰り返しても妊娠に結びつかない場合は次のステップへ進む)を考え始めたころ、夫の転勤が再び決まり、東京に戻ってくることになりました。
原因不明不妊
それをきっかけにフルタイムの今の仕事に転職。同時に有名な不妊治療専門クリニックに通い始めました。そこではさらにさまざまな検査をしました。腹腔鏡と言っておなかに穴をあけて中を確認する検査も行いましたが、「これ」という不妊の原因は見つかりません。原因不明不妊(機能性不妊とも言います)でした。検査をしたり、タイミング法を試してみたり、人工授精もしましたが、なかなか結果に結びつかず。体外受精にチャレンジすることになりました。
体外受精・顕微授精へステップアップ
体外受精とは女性の卵巣から卵子を取り出し、取り出した卵子と精子を体の外で受精させ、受精卵を子宮内に戻す方法です。受精方法の違いで体外受精と顕微受精があります。受精卵を凍結し、翌月から移植をしていきました。
10週で繋留流産
移植1回目は陰性、移植2回目で陽性反応がありましたが、10週で繋留流産になりました。本当につらかったです。泣いて泣いて泣きまくって、全然元気がでませんでした。でも夫がその時、私が何度同じ話をしても、何度同じことで泣いても、急かさず、一緒にその悲しみに留まってくれたことが救いでした。今でも心から感謝しています。
不妊治療を1年間お休み
それでもどうしてもすぐに「次!」と切り替えることはできず、1年、妊活をお休みしました。お休み中に妊娠した!という話はよく聞きますが、私は妊娠しませんでした。
2回の転院、そしてついに妊娠!
その後、2回転院し、相性の良いクリニックと出会いました。通院を始めて2か月で最低限の検査と採卵、移植を経て、妊娠しました。多胎妊娠だったため、夢に描いた妊婦生活ではなかったものの、34歳にして挙児に至りました。