優雅なイメージ?元中東系CAが経験したファーストクラスの驚きエピソード | キャビンアテンダント(客室乗務員/CA)がおすすめする情報メディア - CA Media

3000人以上のCAネットワークから情報を発信!
日本初のキャビンアテンダント(客室乗務員/CA)がおすすめする情報メディア

優雅なイメージ?元中東系CAが経験したファーストクラスの驚きエピソード

藤原 絵里

ファーストクラスと聞くと、優雅で静かな空間を想像するのでは?今回は、筆者が中東のファーストクラスに乗務して驚いた体験をお話します。

ファーストクラスで働けるのはどんなCA?

入社後の訓練を終え、晴れてエコノミークラスで働くCAとしてデビューします。

その後経験を積んで、ビジネスクラス、ファーストクラスへと進んでいくのですが、誰でも乗務できわけではありません。

日頃の努力や頑張りが認められると、会社からファーストクラスの訓練を受けるよう指示があります。

機材ごとに違う座席の使い方、路線ごとに違うお食事サービスの内容など、すべてを訓練し、実技試験に合格しないと乗務できません。

訓練では一番最初に、

「ファーストクラスを利用されるお客さまは、たった数時間のフライトに100万円を支払っています。金額に見合った、それ以上のおもてなしを。」

と教わります。

そんな緊張するファーストクラスでの乗務ですが、色々と面白いエピソードも満載です。

今回は筆者が体験した、ファーストクラスでの驚きエピソードをご紹介いたします。




ファーストクラスデビューフライトなのに!?

前日に訓練を終え、アサインされていたフライトはパキスタンのハイデラバード。

ドキドキしながらフライトメンバーを確認すると、なんと、一緒に訓練を受けた同期の日本人CAが一緒でした。

そして、教えてくれる先輩CAもなんと日本人!

ホッとしながらフライトへ向かうと、なんとその日のファーストクラスのお客さまは0名!

訓練は全て英語で行われるのですが、日本語で、実際の機内で復習できる機会となった、とても勉強になったデビューフライトでした。




ファーストクラスのサービスを……

地上職員から手渡される「PIL(=Passengers Information List)」というお客様情報を確認すると、いつもファーストクラスをご利用くだっさるVIPのお客さまのお名前がありました。

しかし、その日は、ビジネスクラスとエコノミークラスしかない機材。

お食事などのサービスはファーストクラスでしたが、座席がビジネスクラスのものになってしまう予定でした。

そのお客さまは、いつも機内ではほとんどお休みになるだけなので、とても緊張していました。

「空港で職員さんに、差額はお返しするって言われたけど、必要ないから、いつもどおりファーストクラスのサービスをお願いね。」

とのお言葉をいただき、いつも通りお客さまはお休みになってしまったので、静かに目が覚めるのを待ち、客室の温度に気を配り、できる限りのことを。

と言っても何もできませんでしたが、お客さまは、

「いつもどおりのファーストクラスのサービスをありがとう。」

と感謝してくださり、降機されました。

いまだにどのポイントに感謝していただけたのかが分からないのですが、座席がビジネスクラスであれ、いつも通りにお過ごしいただけるように務めたことが良かったのではないかと思います。


次のページ:中東系ならではのこんな出来事も!?

SCROLL