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肥満症は自己責任?社会全体で考える健康増進の仕組みづくり

CA Media編集部

2026年10月15日、日本イーライリリー株式会社と米国研究製薬工業協会(PhRMA)は、「第9回ヘルスケア・イノベーションフォーラム2026」を開催。 「攻めの予防医療の実現に向けて―国民の健康増進と肥満症対策の社会実装を考える―」をテーマに、医療、行政、経済・政策などの専門家が、肥満対策の現状と今後の方向性について議論しました。

健康への関心が高まる一方で、生活習慣病などの予防や、必要な医療へ適切につながるための仕組みづくりは、社会全体で取り組むべき課題となっています。


なかでも肥満症は、体型の問題だけでなく、個人の健康、さらには医療費や社会経済にも影響を及ぼす問題とされています。


2026年10月15日、日本イーライリリー株式会社と米国研究製薬工業協会(PhRMA)は、「第9回ヘルスケア・イノベーションフォーラム2026」を開催。


「攻めの予防医療の実現に向けて―国民の健康増進と肥満症対策の社会実装を考える―」をテーマに、医療、行政、経済・政策などの専門家が、肥満対策の現状と今後の方向性について議論しました。




肥満と肥満症の違いを知っていますか?

「肥満症診療ガイドライン2022」によると、肥満とは「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態でBMI≧25のもの」と定義されています。


これに対して肥満症は「肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測され、医学的に減量を必要とする病態」と定義されています。


日本肥満学会の下村伊一郎理事長は、肥満症は単なる体型の問題だけではなく、200以上の健康障害に繋がると言われているほど、様々な疾病の上流に位置するものだとし、さらに日本人は様々な人種の中でも内臓脂肪が溜まりやすい人種で、同じBMIでも日本人の方が欧米人よりも疾病リスクが高いと説明しました。




肥満症は自己責任?病気への理解不足

日本イーライリリーと田辺ファーマが肥満症患者300名、医師300名、および一般生活者1,000名を対象に行った意識調査によると、肥満に至る理由について、一般生活者の7割、肥満症患者の8割以上が「本人の責任」であると認識していることが明らかになりました。


特に肥満症患者においては、その認識がさらに強く肥満症患者の3人に2人が「100%自分の責任である」と考えていることから、肥満症患者のセルフ・スティグマ(自身の偏見)の強さが浮き彫りになりました。


下村理事長によると、日本では患者が体重に悩んでから医療機関を受診するまで、平均6年かかっているそうで、これは世界的に見ても長い時間だそうです。


さらに、患者が医師に肥満のことを話したくないと思っている割合、医師が診察室で肥満を話題にしたくない思っている割合、患者・医師ともに肥満は個人の責任と思っている割合も日本が一番高いといいます。


肥満症は遺伝、環境など様々な要素が関わりあっているため、本人の努力だけで対処するのは難しい疾患ということを認識することも社会課題であると考えられています。



健診を受けるだけでは終わらない。必要な治療につなげる仕組みとは



日本人なら当たり前になっている、年に一度の特定健康診断。イーライリリー・アンド・カンパニーのパトリック・ジョンソン エグゼクティブバイスプレジデントは、この制度が導入されていることは日本の大きな強みだと述べました。


しかし、現状では、特定健康診断でリスクが見つかった場合、特定保健指導で保健師から指導を受ける流れはできていても、その後地域の医療機関や専門医に繋ぐ制度までは整ってないのが課題とされています。


下村理事長は、実際に、糖尿病、脂質異常、高血圧などの症状で受診された患者の多くが、もっと早い時点で肥満症の治療が必要だったというケースが多いと述べ、診療報酬における「生活習慣病管理料」の対象疾病へ肥満症を追加することの必要性を説明。


指導効果が不十分な患者を早期に医療に繋ぐため、保険者インセンティブを活用し、健康・保健指導から専門医療への接続体制を整えること、医師、看護師、管理栄養士など多職種によるシームレスな連携体制の構築が必要だとしました。



健康を守るために、個人と社会ができること



生産年齢人口が減少する中で、企業において従業員の健康増進に取り組むことは、生産性を上げ、企業の発展、ひいては経済全体の発展にも繋がる大きな意味のあることだと経済産業省の福田光紀 商務・サービスグループヘルスケア産業課長は述べました。


実際に健康経営に取り組んでいる企業の方が離職率が低いというデータも出ているそうです。


肥満症対策を社会に定着させるためには、医療現場だけでなく、企業や行政、地域社会など、複数の領域が連携することが欠かせないとされ、2026年には肥満症が「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に反映されました。


自分や家族の健康を守ることと、社会全体で健康を支える仕組みを整えること。その両方の視点を持つことが、これからの予防医療を考えるうえで重要になりそうです。



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