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こうして低価格が実現!ピーチに学ぶLCCの安さの秘密

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便利な旅のツールの一つとしてLCCを移動に選ぶ方も増えてきたのではないでしょうか?そしてそのチケットの安さには目を見張るものがありますよね。なぜそのような安さを実現できているのか、ピーチの事例を使ってご紹介いたします。

LCCは格安航空会社ではない!?

私はJAL出身ではありますが、最近のLCCの動向にもとても注目しています。

アメリカでは私が留学していた10年以上前からLCCでの移動は普通であり、人々のインフラとして根付いていましたが、日本では今がLCCの伸び時ですよね。

そもそもLCCは日本語では格安航空会社と言われています。

そのイメージはどんなものでしょうか?

チケット代が安い代わりにブランケットや無料ドリンクなどの機内サービスがない、シートピッチが狭いなど、少しネガティブな印象がありませんか?

しかし、LCCはLow Cost Careerの略。

つまり、【格安チケットを販売する航空会社】ではなく、【低コストで運航する航空会社】のこと。

低コストを実現できているからこそ、チケットを安く提供することができるのです。

また、低コストは機内サービスをなくすなどそんな単純なことで実現しているわけではありません。

どのように低コストを実現し、安全面も確保したうえでお客様に安くチケットを提供することができているのか、ピーチ・アビエーションの事例をもとにご紹介いたします。


飛行機はバックできない!?

飛行機は車のようにバックできないのはご存知ですか?

そのため、出発時はトーイングカーという専用の車が飛行機をプッシュし、スポットから出発させ、飛行機が自走し始めるのは、トーイングが終わってから。

もちろんトーイングには、トーイングカーや専門の技術者などコストがかかります。

そんなコストを削減しているのが、関西空港でのピーチの駐機方法です。

関西空港はピーチのベースであり、専用のターミナルがあるのですが、そこでの駐機方法はすべて沖スポット(ボーディングブリッジを使わず、タラップを使います)。

良く見ると、飛行機はまっすぐではなく少し斜めに止まっているのですが、そこがポイント!

斜めに止まっていることで、出発時にトーイングされることなく、機首からぐっとカーブして出発することができるのです。

これによって、トーイングにかかるコストはもちろん、出発時にかかる時間も短縮しているわけですね。

飛行機はバックできない、けどカーブを曲がることはできるという特徴を活かした駐機方法には驚くとともに、感心するばかりです!



国内線も国際線も機材は1種類のみ!



JALやANAを始めとするフルサービスキャリアの場合、機材も数種類あり、機内仕様も国内線と国際線でもちろん変えていてそれはそれはバリエーション豊かです。

ただし、多種多様の機種を運航すること自体、コストがかかること。

例えば、急なシップチェンジでBOEING777からBOEING767に変更となる場合、パイロットも、場合によってはCAも767の資格を持つ人に変更しなくてはいけなくなります。

そんな中ピーチはエアバスのA320のみで国内線も国際線も運航しています。

確かに国際線としてはシートピッチは狭いのですが、フライトタイムも最大4時間ほどなので耐えられなくもないですよね。

1機材に絞ることで整備コストも下がり、万が一シップチェンジが発生しても、CAもパイロットも変更せず飛ぶこともできます。

また、より効率性を高める工夫として、機内販売メニューなどは、国内線だろうが国際線のものが搭載されています。

逆も然りで、いちいちメニューを変更する手間も省けますよね。

こうやって1機材にすることで、フルサービスキャリアには成し得ない大幅なコスト削減を実現できているのです。


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