チーフから学んだマニュアルの本当の意味~機上の空論 上空1万メートルからのエピソードvol.5 (3/3ページ)
CAが多くのフライトを重ねる中でたどり着いた接客への想いとは?「機上の空論 上空1万メートルからのエピソード」は、現役・元CAが「私にとって接客とは」というテーマでお送りする、リアルなエピソード満載の連載コラム。第5回は「チーフが教えてくださったマニュアルの本当の意味」というテーマで菊地 麻衣子がお送りいたします。
【ホスピタリティ】とは?
そのお客様が抱えていらっしゃったのはお手荷物ではなく、「ご家族」です。
チーフはきちんと保安上のマニュアルに沿った形で、そのご家族にシートを差し上げた。
入社当初の私はどこかマニュアルのせいばかりにして、自分の出来ることを精一杯考え努力することを怠っていただけだったのです。
ホスピタリティとはありきたりな言葉ですが、「思いやり」だと思いました。
私にとって接客とは
私にとって接客とはこのホスピタリティを大切にすることです。
そのためにはまずはお客様のこと、また周囲の方のことを知ろうとするところから。情報は得ようと思えばいくらでもあると思います。得た情報から相手の状況・気持ちを想像し、思いやる。
この思いやることには技術やマニュアルはいらないのです。
CAはサービスのプロかもしれませんが、ホスピタリティのプロになるには、技術やマニュアルではなく、一人の人間としての思いやり。それに尽きるのではないでしょうか。
今、機内で乗務しているどの会社のCAにもマニュアルはあります。
でもそのアレンジの仕方は100人100通り。CAとお客様も出会いなのです。
お客様にとっても、CAにとっても、機内でたくさんの素敵な経験があることを願って!