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61年前は客室乗務員(CA)が着物を着ていた?!その真相を元日本航空男性客室乗務員に直撃取材! (3/3ページ)

CA Media編集部

客室乗務員が着物を着て機内サービスを行っていた時代のお話を、元日本航空男性客室乗務員でパーサー・マネージャーなどの経験を持つ川井利夫さんにインタビューいたしました。着物サービスの変遷やお客様からの評判や苦労話など今では考えられない色々なお話をお楽しみください。

早着替えの秘密&着付けの訓練


川井さん:CAたちが着る着物は、着替えがスムーズに出来るように工夫が凝らされていました。つけ帯スタイルでおたいこも着脱が簡単にできるものでした。長襦袢も、えり抜きが簡単にできるようになっていました。

 さらにジャンボジェット時代になると、もっと短い時間で着替えることができるようにと、上下セパレーツ式の着物が開発されました。必要な部分はマジックテープで簡単に留めることができました。



編集部:そうだったのですね。色々大変ではあったと思いますが、女性として着物の着付けを身に付けることができるのは嬉しいことですよね。



川井さん:そうですね。着付けの授業だけでなく、着物を着てモックアップでの訓練も行います。普段の制服の時と同じようには動けないので、自然と振る舞いがおしとやかになります。

さらに実際にファーストクラスで着物サービスをしていると身のこなしがグングン洗練されてきます。これが日本航空の歴史を作ってきたのではないでしょうか。



編集部:お客様の反応はいかがでしたか?


川井さん:パリやロンドンでは、乗務にあたり、ホテルで着物を着用し空港に向かっていたこともあります。着物姿でターミナル内を歩いていると、めずらしがって行き交う人々は皆振り返っていました。一緒に写真を撮りたいと話しかけてきた外国人の方もいました。機内でも、着物スチュワーデスが行くと、外国人のお客様は喜んでくれました。

帰国便では、日本人のお客様が着物姿を見て日本に帰ってきたようだとおっしゃっていました。


CAの着物の早着替えの秘密とは?



着物サービスの苦労話 


編集部:とても素敵な着物サービスですが、何か大変だったことはありますか。


川井さん:旅客搭乗前に着替えるのは大変だったと言っていました。とにかくCAが搭乗してから離陸まで、いろいろな準備をしなければならないのに、着物に着替えなければならなかったからです。特に、「香港出発前の着替えは、トイレの中は暑くて、暑くて、もう大変だった」と昔のCA仲間が、言っていました。


また、彼女たちは、機内で制服に着替えるので、着替えた着物を収納する着物ケースを持ち歩いていました。それを着物スチュワーデスに持たせるわけにはいかないので、私たち新人男性CA(スチュワード)が持っていました。


編集部:そんな裏話があったのですね。

今日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!


それを着物スチュワーデスに持たせるわけにはいかないので、私たち新人男性CA(スチュワード)が持っていました。


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