政府チャーターってどんなフライト?基本情報とその裏側を乗務経験のあるCAが解説 (2/2ページ)
政府チャーター機とは、政府の要請により民間航空会社が運航する臨時フライトのことです。武漢へのチャーター機が出たことで話題となっていますが、政府チャーター機とは通常のフライトとどう違うのでしょうか?政府チャーター機の乗務経験のある元CAが、体験談も交えて解説します。
政府チャーター機乗務時の体験談
筆者自身、ある国内線の政府チャーター機に乗務したことがあります。
搭乗されたお客様は、通常路線とは少し違い、緊張した雰囲気が漂っていて、はじめはどう接して良いものか戸惑いました。
お飲み物サービスや持ち込んでいたお弁当箱の回収など、慌ただしい時間が過ぎて少し落ち着いた頃になると、お客様から目的地までの時間を尋ねられ、お話をしているうちに、今回の渡航に関しての想いを伺うことが出来ました。
私達乗務員も特別なフライトに乗務する緊張感でいっぱいでしたが、同様にお客様の緊張や不安も大きいフライトなのだということが伝わってきました。
到着地に数時間滞在した後、同じお客様を機内にお迎えしたのですが、その際は、少し安堵の表情も伺えたような気がします。
帰りのフライトでは皆様、無事に行程を終え帰路に就く安心感から、お休みになられる方、物思いにふける表情の方、小さな声でお話をされている方々など、少し静まりかえった空間だった印象があります。それだけチャーター機での渡航が意義深いものだったのだと思います。
沢山の人が関わる政府チャーター機の活躍
新型コロナウイルスの流行に際し、中国武漢への邦人帰国希望者向けチャーター機が運航されました。
武漢は既にANAの定期便が就航している路線のため、素早い運航のオペレーション対応が出来たと想像しますが、救援用物資の運搬や、搭乗者向けの空港対応、機内での対応など、あらゆる措置において相当な人員と労力を費やしているものと思われます。
今回この政府チャーター機に関する記事を執筆するにあたり、チャーター機運航に関わる方たちのご尽力を思うと、一刻も早く事態の終息を願わずにはいられません。
一人でも多くの方が無事に、安心して過ごせる日が早く来ますようお祈り申し上げます。