心配な新型コロナウイルス。機内での感染症対策はどうなってる? | キャビンアテンダント(客室乗務員/CA)がおすすめする情報メディア - CA Media

3000人以上のCAネットワークから情報を発信!
日本初のキャビンアテンダント(客室乗務員/CA)がおすすめする情報メディア

心配な新型コロナウイルス。機内での感染症対策はどうなってる?

Saori

世界中を騒がせている新型コロナウイルス。出張や旅行などで飛行機に乗る予定があり、不安に思われている方も多いのではないでしょうか。感染症流行時、機内ではどのような対策がとられているのでしょうか。今回は、数年前エボラ出血熱が流行した際に乗務していた筆者が、一例として当時の対策をご紹介します。

新型コロナウイルスが流行中。飛行機に乗っても大丈夫?

現在流行中の新型コロナウイルス。


WHO(世界保健機関)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言するなど、世界的な感染拡大が懸念されています。


国民の不安も高まり、マスクや除菌シートは品薄状態に。筆者の近所のドラックストアでもマスクや除菌シートなどは売り切れていました。


この騒動のなか、近日中に飛行機に搭乗予定の方のなかには、近くに感染疑いの方がいたら…...と不安に思われている方もいらっしゃるかもしれません。


もちろん感染症が流行しているときに多くの人が集まる密室は避けたいと思いますが、どうしても乗らなければならない時もありますよね。


実際にそのようなとき、機内ではどのような感染症対策が取られているのでしょうか。


今回は、一例として、数年前にエボラ出血熱が流行した時期に乗務していた筆者がその時の対応についてお話させていただききます。




感染症流行時、機内ではどのように対応する?

当時流行していたエボラ出血熱は、主として患者の体液等(血液、分泌物、吐物・排泄物)に触れることにより感染する疾病です。


症状は発熱、倦怠感、食欲低下、頭痛などから始まり、その後嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状が見られ、重症例では神経症状、出血症状、血圧低下、最悪の場合に死に至ると言われています。


筆者が乗務していたときには ギニア、リベリア、シエラレオネ、マリ、ナイジェリアでエボラ出血熱が流行していました。


当時乗務していた機材は通路が1本で左右に座席が3列ずつある小型機だったのですが、感染疑いのあるお客様は他のお客様と接触しないよう、前後左右3席分空けるようにという決まりがありました。


感染疑いのあるお客様がいらっしゃった場合には、到着前に操縦室から検疫に連絡をします。そしてお客様降機前に検査官が機内に入り対応を行うというプロシージャ―が取られていました。


また、感染症対策に欠かせないのが、手袋、消毒液、マスクなどです。


機内には普段から手袋や消毒液は搭載されていますが、この時期には感染が疑われるお客様がいらっしゃった場合の緊急対応用として、乗務員とお客様用のサージカルマスクが特別搭載されていました。


そして国際線の場合は、感染疑いのあるお客様の有無に関わらずお客様降機後に機内に消毒液を撒くなどの対策が取られていました。


今回武漢から帰国する政府チャーター機に乗務したCAはマスクや手袋を着用し、今後は防護服も着用するそうですが、筆者の時は通常の便だったため、マスクは着用せず制服のままのサービスを行いました。

  

もちろん感染症といっても、種類や事例、航空会社によっても差はあるかと思いますが、このような有事の際に実際に行われていたケースの一例としてご紹介させていただきました。



自分でできる対策はしっかりと!

感染症やインフルエンザが流行している時には、飛行機に乗るのが不安になってしまう方も多いとは思いますが、乗務員はしっかりと訓練、教育を受け、きちんと感染症対策をとっているのでその点は安心していただけたらと思います。


厚生労働省のHPによると、新型コロナウイルスの予防には、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様、咳エチケットや手洗い、うがい、アルコール消毒などが有効とされています。


最近ではお店や会社の入口に消毒液が置かれているのを目にすることも増えましたが、一人ひとりが自分でできる対策をしっかり行うことが大切ですね。


一日も早い新型コロナウイルスの終息を願っております。


SCROLL