JAL・ANA客室乗務員が全路線でマスク着用!機内での感染リスクと対策を元国際線CAが解説 (2/2ページ)
日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)は、客室乗務員が国内線、国際線全路線でマスクを着用してサービスすると公式HPで発表。異例の事態になっています。ここでは、感染症流行時に乗務経験のある元国際線CAが、機内での感染リスクや対策について体験談を含めお話いたします。
機内で体温検査。高熱のお客様がいたときの対応とは?
私が過去に経験した、ある国際的なウイルスの感染が流行した際のお話です。
あるフライトで、到着地空港の要請があり、乗客全員の体温検査を実施してから降機を許可するというケースがありました。
その際、熱の高い乗客がいることが判明し、そのお客様と、周辺に座っていた数人の方々だけを残して再検査を実施する事が決定。他の乗客が飛行機を降りた後、真っ白な全身防護服に身を包んだ数人の検査官が機内に入り、ものものしい雰囲気のなか検査が実施されました。
そのお客様は機内では特に変わった様子もなく過ごしていたので、乗務員としても症状に気が付く事が出来ませんでした。
お客様の「実は少しだけ熱っぽいかなと思って家を出たのですが......もしかして私はこのまま降りられず強制送還でしょうか」と不安げなお言葉が、より緊張感を高めました。
結果、ウイルス感染の恐れはないと判断され、お客様も乗務員も無事に降機することができましたが、降機までの数十分間の緊迫した時間は今も忘れることが出来ません。
客室乗務員も全員マスクを着用して降機することを命じられ、制服にマスク姿で空港を歩いたのは、当時としては異様な光景だったかもしれません。
乗務員として健康には自信もあり、お客様の様子もしっかり見ていたつもりでも、どこに潜むかわからない感染症のリスクを身近に感じたフライトでした。
機内での感染症リスクを理解したうえで、しっかりと感染症対策を
国際的な感染症が流行している時には、飛行機での移動に不安を覚える方も多いと思います。
しかし、機内という特殊な環境下におけるリスクを理解したうえで、自己管理をしっかり行うことで、機内での感染症リスクを最小限に抑えることはできます。
・渡航前後の入念な手洗いうがい、鼻うがい
・マスクやハンカチでウイルス接触・飛散の防止
・機内の乾燥に備えて水分をこまめに摂る
・自分自身の免疫力をしっかり高める
・体調が不安な場合には渡航を控える選択肢を持つ
私自身がもし今飛行機に乗らなければならない状況だとしたら、上記のことを心がけます。
皆様が慎重な対策を取り快適なフライトを過ごせますよう、そして一日も早く新型コロナウイルスが終息しますようお祈りいたします。