知られざる秘密の世界?プライベートジェット専属CAの一日 | キャビンアテンダント(客室乗務員/CA)がおすすめする情報メディア - CA Media

3000人以上のCAネットワークから情報を発信!
日本初のキャビンアテンダント(客室乗務員/CA)がおすすめする情報メディア

知られざる秘密の世界?プライベートジェット専属CAの一日

ハンナ

日本ではまだ馴染みの薄いプライベートジェットですが、アメリカやヨーロッパでは一日に何機ものプライベートジェットが飛び交っています。今回はプライベートジェット専属CAとして働く筆者の一日をお届けします。

米系航空会社からプライベートジェット専属CAへ

私は米系航空会社で3年間客室乗務員として勤務の後、約3ヶ月前にプライベートジェット専属の客室乗務員として転職しました。

日本ではあまりなじみのないプライベートジェットですが、アメリカやヨーロッパでは一日に何機ものプライベートジェットが飛び交うことも!

今日は、今はまだあまり知られていないプライベートジェット客室乗務員の仕事内容の一部をお届けしたいと思います。





フライト前日。ここから仕事がスタート

フライト前日になると、会社から「トリップシート」というフライト情報が送られてきます。

トリップシートには行き先や出発時間はもちろん、お客さまの個人情報やケータリングの内容、アレルギーの内容など様々な情報が含まれています。


私たち客室乗務員はトリップシートを受け取るとすぐに会社に折り返しの連絡をします。

また、ケータリング会社に電話し、ケータリング内容と時間、場所の確認をします。

この確認を怠ると、ケータリングが届かなかったり、間違ったものが届いてしまったりと大問題になります。

他にアレルギーのあるお客さまの場合なら大変なことになりますよね。


また、忘れてはいけないのがパイロットへの連絡。

パイロットの食事を準備することも私たちの仕事のうち。

何が食べたいかを聞いて、なるべく希望に添えるように努力することが大事です。

パイロットなしではフライトは成り立ちませんし、お客さまと同じくらい大切な存在です。





お客さまのためならどこへでも!フライトの買い出しへ

一連の確認作業が終わると、フライトのための買い出しに!

ほとんどのものは機内に保管されていますが、牛乳やオレンジジュース、果物、お花や雑誌などはその都度買いに行きます。

お客さまの指定がない限りはオーガニック系スーパーへ行くことが多いですが、時には「このブランドのこの牛乳がいい」などとリクエストが入ることもあるので、そういった場合は車を走らせ探し回ります。

また、お客さま指定のレストランに食事を取りに行ったり、ケータリングのオーダーが入っていない場合でも機内でささっと食事を作れるように常に多めに食べ物を準備しておきます。

ときには自宅で作ってくることも。

先日は自宅でキッシュを焼いて持って行ったのですが、お客さまに大人気でした。


私の住んでいるロサンゼルスはオーガニック系スーパーやマーケットが充実しているため、良い食材が手に入りやすいのですが、ステイ先によっては選択が限られることも。

常にホテルの周りにどんなスーパーやレストランがあるのかリサーチしています。





フライト準備は何をするの?



フライト当日、客室乗務員は出発の約1時間半前から2時間前の間に出社します。

私たちが出発するのは一般の空港ターミナルではなく、FBOと呼ばれるプライベートジェット専用の施設。

機内に入るとまずはセーフティーチェック。

万が一の事態に備え、ライフベストやAEDなどを確認します。

エアラインと違い一人でキャビンを担当しなければいけないので、どこに何があるのか完全に把握しておくことはとても大事。

また、同じ機種であってもインテリアによって緊急設備の位置が違うので、毎回確認することがとても重要になります。

そして念のため、機内をもう一度清掃。

テーブルに指紋がついていないか、食べかすが落ちていないかなどを入念に確認します。

また、ウェルカムテーブルのセッティングも大切な仕事のうち。

先日のフライトでは、クリスマスをテーマにしたウェルカムテーブルをセッティングしました。

ウェルカムテーブルは出発したらすぐに片付けてしまいますが、フライトの第一印象を作る上でとっても大事なのです。





フライト中のお仕事

フライト中は常にギャレーにいて、お出しできる簡単な料理を作ったり、常に要望に応えられるように気を配ります。

プライベートジェットの客室乗務員は影の存在なので、必要以上にお客さまに話しかけたり、キャビンをうろうろしないようにしています。

また、コックピットの様子を伺いにいって何か食べたいものや飲みたいものはないかを聞いたり、常にお手洗いを綺麗な状態にしておくことが大事です。


エアラインと違い、私たちプライベートジェットの客室乗務員に休憩時間はありません。

気付くと一日中何も食べていないということも。

しかし、不思議なことに、フライト中はずっと気を遣っているのでお腹が空かないのです!


フライトが終わると、すぐに機内の清掃に取り掛かります。

忘れ物はないか、ごみは落ちていないか、細かい指紋までも綺麗にします。

また、機内の常備品の在庫管理も私たちの仕事のうち。

賞味期限が切れそうなものは処分し、新しくストックし直します。

フライト後の作業は約30分から1時間程度。

そして帰宅すると報告書を作成し、会社にメールで提出します。

ここまでがだいたいのフライトの流れです。


次のページ:プライベートジェットの客室乗務員として気を付けていることは?

SCROLL