田中牧場で生産される国内トップブランドの飛騨牛 (3/3ページ)
日本一の称号を獲得した飛騨牛。生産地の中でも、仔牛が産まれたときから出荷まで徹底した一貫経営により、細かい霜降りがたっぷりの美味しい飛騨牛を送り出している田中牧場を取材しました。
美味しさの秘密は徹底した血液検査
こんなに美味しいお肉を生産できる秘密はどこにあるのでしょうか。
田中牧場の田中肇さんにお話を伺ったところ、徹底したこだわりが見えてきました。
田中牧場の飛騨牛は口の中でとろけるような柔らかさと甘みのある脂が特長的ですが、それは小ザシという細かい霜降りによって生まれるそう。
そのサシを作るには、牛の成長段階に合わせて適切な飼料を与えることが必要不可欠。
特にサシが作られる脂肪細胞の分化が活発化する時期と、その脂肪細胞が成長する時期に、どのような栄養を与えるかが重要とのこと。
ただひと口に牛の成長段階に合わせてといっても、人間と一緒で牛も1頭1頭成長の速度は違うもの。
そのため定期的に血液検査を行い、血中ビタミンA濃度、コレステロール値、肝機能などを測定しているそう。
こうして、牛それぞれの成長段階に合わせて大切に飼育することで、細かいサシの入った健康な牛に育つのです。
優しい味の裏には牛に対する敬意と思いやりが
田中さんは「田中牧場の牛には、ホテルに滞在してもらうような気持ちで接している」と語ります。
効率化の進む現代においても牛に敬意を払い、社員1人1人が牛に対してどれだけ優しい気持ちを伝えることができるかを大切にしている田中牧場。
そんな風に愛情を持って大事に育てられた牛は、ストレスを感じずのびのび育つことができます。
田中牧場の飛騨牛をいただいたときのあのほんのり甘いような優しい味は、社員の方々の牛に対する熱い想いから来ているのかなと感じました。
世界へ羽ばたく田中牧場の飛騨牛
「田中牧場の飛騨牛は、飛騨地方に行かないと食べられないの?」そう思われた方も多いでしょう。
希少な飛騨牛はどこでも簡単に手に入るものではありませんが、田中さんは「飛騨牛の美味しさを世界に広めていきたい」と話しています。
実際にANA(全日本空輸)の中部国際空港発ホノルル行きのビジネスクラス、ファーストクラスの機内食に採用されたり、東京では六本木のホテル、グランドハイアット東京内にある日本料理店「旬房」のディナーメニューに採用されるなどの実績もあります。
牛を大切に育て上げるけでなく、その美味しさを世界に発信していこうという熱い想いも持ち合わせている若きリーダー田中さん。
食は国境を超えると言いますが、飛騨牛の美味しさに秘められた生産者達の情熱も国境を越えて伝わることでしょう。
しかし、やはり現地のゆったりとした自然と澄んだ空気の中でいただくのが一番。
飛騨地方を訪れた際には、大切に大切に育てられた飛騨牛をぜひじっくり味わってみてください。