エクオールに肥満防止の可能性!日本人の2人に1人はエクオールを体内で作れない?
更年期の女性の肥満を防止する可能性があると発表された「エクオール」。しかしそのエクオールは、日本人の2人に1人は体内で作ることができないといいます。エクオールとは何なのか、自分は体内でエクオールを作ることができるかチェックするにはどうすれば良いか、エクオールを作れない体質の場合はどうすれば良いかなどを、福島医大研究チームの発表をもとにご紹介いたします。
女性にとって、とても気になる発表が!
女性ならいつまでもスリムな体型でいたいものですよね。
それとは裏腹に、年齢を重ねるごとに体重が戻りにくくなったと感じている方は多いのではないでしょうか。
そんな女性にとって、とても気になる情報が福島医大研究チームによって発表されました。
それは「大豆を摂取したときに、腸内細菌によって代謝され作られる成分『エクオール』には、50 〜60代の閉経後の女性を肥満になりにくくする可能性がある」というもの。
福島医大消化器内科学講座の高橋敦史准教授らの研究チームが突き止め、北米閉経学会の学会誌に発表しました。
しかし、そのエクオール、日本人の2人に1人は体内で作ることができないそうなのです。
エクオールとは何なのか、自分は体内でエクオールを作ることができるかチェックするにはどうすれば良いか、エクオールを作れない体質の場合はどうすれば良いかなどを、福島医大研究チームの発表をもとにご紹介いたします。
エクオールとは?
エクオールは、大豆食品に含まれる大豆イソフラボンから作られます。
大豆イソフラボンのひとつ「ダイゼイン」という成分が、腸内細菌のチカラを借りてエクオールに変換されます。
エクオールは女性ホルモン(エストロゲン)に似た作用があり、1日10mgで更年期症状の緩和、骨密度の低下抑制、肌シワの改善、生活習慣病の予防に役立つと言われています。
更年期と肥満の関係
エストロゲンには食欲を抑える働きがあるため、エクオールは、エストロゲンが少なくなる閉経後の女性の脂質異常症や高血糖などの生活習慣病を予防する可能性があることが知られています。
しかし、更年期の肥満との関係ははっきりしていませんでした。
そこで福島医大消化器内科学講座の高橋敦史准教授らの研究チームは、2018年2月から19年1月の間に、わたり病院(福島市)で健診を受けた50~60代の女性386人のデータを解析。
その結果、エクオールを作れる人は全体の27.5%に 当たる106人でした。
エクオールを作れる人たちのうち、体格指数(BMI)25以上の過体重の人の割合は、エクオールを作れない人たちの過体重の割合の半分以下にとどまりました。
今回の研究により、エクオールが、特に女性ホルモンの減少する世代への、肥満をはじめとする生活習慣病関連リスクの改善などに効果が期待されると考えらるということです。
日本人の2人に1人はエクオールを体内で作れない
しかし、実はこのエクオールを作り出す腸内細菌を持っている日本人は約50%で、日本人の2人に1人はエクオールを作り出すことができないそうなのです。
エクオール産生菌を持っていなければ、大豆イソフラボンをいくら摂取してもエクオールは産生されず、エクオールのチカラを活かすことはできません。
とてもショッキングな話ですよね。
エクオール産生菌を持っているかはどうすれば分かる?
そうなると気になるのが、「自分はエクオール産生菌を持っているのかどうか」ということですよね。
病院に行かないと調べられないようなイメージがありますが、なんとエクオール検査キット「ソイチェック※」で採尿した尿を郵送するだけで調べる事ができるそうです。
※「ソイチェック」は株式会社ヘルスケアシステムズの商品です。
この時期、自宅で簡単に検査できるのは有り難いですよね。
エクオール産生菌がない人はどうすればいい?
検査の結果、エクオール産生菌がなかったらショックを受けてしまいそうですが、エクオールは「エクオール含有食品」で直接摂取することができます。
エクオールは1〜2日で体外に排泄されてしまうため、作り出せる方でも大豆を食べない日や腸内環境によって作れなくなる日があるといいます。
そのため、作り出せない方はもちろん、作り出せる方でも「エクオール含有食品」で直接摂取し、補うのがおすすめだそうです。
エクオール含有食品はどこで買える?
エクオール含有食品は、現在では様々な商品があり、産婦人科などの医療機関でも取り扱われているものもあります。
また、エクオール含有食品をつくるときに使用される菌を開示しているものもあるそうです。
毎日食べるものですから、どの菌から作られているか、分かると安心ですよね。
女性の身体と密接な関係があるエクオール。意識して生活していきたいですね。