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あなたの行動は大丈夫?現役CAが考える緊急時こそ気を付けたいこと

神原李奈

緊急事態が発生すると、慌てますよね。そんな時こそ大切なのが一人ひとりの行動です。フライト中のイレギュラーに対応すべく、訓練をうけているCA(客室乗務員)が考える、緊急時こそ気をつけたいことを今回の新型コロナウイルスの例も含めご紹介します。

緊急時の行動

地震や台風、ウイルスの蔓延などの緊急事態が発生すると、慌てますよね。

そんな時こそ大切なのがひとりひとりの行動です。



フライト中には様々なイレギュラーな事態も起こります。

そのような事態にも臨機応変に対応すべく、CA(客室乗務員)は厳しい訓練をうけています。



今回は、現役CA(客室乗務員)が考える緊急時こそ気をつけたいことを、今回の新型コロナウィルスの例を挙げてご紹介します。



冷静に情報収集する

緊急時の大切なのが情報。正しい情報に基づかない行動は、火に油を注ぐことになってしまうこともあります。


例えば、客室乗務員は機内で火災が起こった場合の訓練も受けるのですが、火元が何かという情報によって、どの消火器を使用するか判断します。この情報がなくやみくもに近くにある消火器を使ってしまっては、逆効果になってしまうこともあるのです。


また、機内で急病人の方の対応をする際も、持病がないか、ペースメーカーが入ってないかなどの情報がないと、正しい処置ができず、最悪の事態を招いてしまうこともありえます。


もしも自分が焦って誤った情報を他の客室乗務員に伝えてしまったら、人の命にかかわる事態も招きかねないという危機感のもと働いている客室乗務員は、誤情報の恐ろしさを身近に感じているのです。


例えば最近の新型コロナウイルス関連の情報。



「◯度でウイルスが死滅するから、お湯を飲むと良い」や「◯◯が不足するから、まとめ買いしたほうが良い」などの情報を見聞きして、信じてしまった方が多くいます。


その結果、誤った情報が拡散されたり、紙製品が品薄になったりしました。



インターネット上では一般人から専門家まで、誰でも情報を発信することができ、その質はピンキリです。

情報源が曖昧な場合、まずは「本当なのか?」という疑問を持つことが大切です。



そしてその情報が正しいかどうか、自分自身で確認してみることです。



良かれと思って発信したことが誤情報で、結果的に悪影響を招いてしまったら残念ですよね。



特にSNSでは、顔が見えないため軽い気持ちで発信しがちなので、発信する際も受け取る際も注意が必要です。



日頃から緊急事態に備えて行動する

今回の新型コロナウイルスでは、マスクや紙製品の買占めが深刻な問題となりました。

大地震や大型台風などの災害時は、不安な気持ちから「買い占め」による商品の不足が起こりやすくなります。

単に売り切れになる分にはまだしも、本当に必要としている人が購入できないことが一番の問題だと思います。


緊急時に不安な気持ちになるのは当然のことなので、日頃から緊急時を想定して行動することが大事です。


例えば、日頃から天災などの非常事態が起こったときのために、一定期間物流が滞っても生活していけるだけのストックをしていたら、今回のようなケースでも不安な気持ちは少なくすむはずです。


特に日本は地震が多い国なので、断捨離ブームの中でもある程度緊急時に備えたストックを持つことは必要かもしれません。


客室乗務員は、大きな揺れが予想されていないフライトでも、「今ここで急に揺れたらどうするか」ということを常に考えながら業務に当たっています。


また、それに備え、ほんの一瞬でも目を離すときにはカートのストッパーをロックしておくなどの対応をしています。


もちろん、それでも急に揺れたときには焦るものですが、緊急事態を想定し備えていることで、冷静な行動に繋がります。


今回、マスクが一部常識を超える価格で転売されていることが問題になっていますが、緊急事態の衝動的な行動により、さらなる深刻な事態を招いてしまうこともあります。


一人ひとりが日頃から備えをしておくことで、緊急時も冷静な判断に基づいた行動がしやすい状況になるはずです。


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