61年前は客室乗務員(CA)が着物を着ていた?!その真相を元日本航空男性客室乗務員に直撃取材! (2/3ページ)
客室乗務員が着物を着て機内サービスを行っていた時代のお話を、元日本航空男性客室乗務員でパーサー・マネージャーなどの経験を持つ川井利夫さんにインタビューいたしました。着物サービスの変遷やお客様からの評判や苦労話など今では考えられない色々なお話をお楽しみください。
着物サービスの変遷
編集部:着物は一人一人貸与されていたのですか?
川井さん:初期の頃は、着物はCA一人ずつに貸与されていました。訓練が始まるとすぐに、訓練生は教官に連れられて銀座の越後屋や上野の松坂屋に行きました。そこで、1人ずつ自分に合った絵柄を、冬物と夏物を選んでいました。CAたちには着物一式とそれを収納する小型の着物ケースが貸与されていました。
編集部:それぞれ自分に合った絵柄の夏物・冬物の着物を貸与いただけるなんて素敵ですね。
川井さん:しかしジャンボジェット機が投入されCAの人数も増えてくると一人一人に貸与というわけにはいかなくなり、乗務時に着物カウンターで借りていく方式に代わりました。
編集部:そうなのですね。では当時はCA全員が自分で着付けができたということでしょうか。
川井さん:はい、訓練中に和室の教室で着付けの訓練がありました。機内ではお化粧室で着替えるため、練習のときに与えられるスペースはたたみ半畳です。教官がストップウォッチで着用時間を計っていました。
離陸前に着替えたり、ときには離陸後すぐに着物に着替えなければならなかったので、手早い着替えが要求されていました。15分以上かかると教官にハッパをかけられていました。
編集部:そんな狭いスペースで15分で着物に着替えるなんて大変ですね!