61年前は客室乗務員(CA)が着物を着ていた?!その真相を元日本航空男性客室乗務員に直撃取材!
客室乗務員が着物を着て機内サービスを行っていた時代のお話を、元日本航空男性客室乗務員でパーサー・マネージャーなどの経験を持つ川井利夫さんにインタビューいたしました。着物サービスの変遷やお客様からの評判や苦労話など今では考えられない色々なお話をお楽しみください。
CAが機内で着物を着てサービスしていた?
「昔は客室乗務員が着物を着て機内サービスをしていた」
そんな噂、聞いたことはありませんか。
CAメディア編集部では日本航空の男性客室乗務員としてパーサーやマネージャー経験もある川井利夫さんに当時のお話を伺うため、川井さんが代表を務められているスチュワーデス塾のサロンに伺いました。
着物サービスは36年も続いていた!
編集部:CAが着物を着てサービスしていたという話を聞いたことがありますが、いつ頃のお話でしょうか。
川井さん:着物サービスは、JALが1954年2月に、プロペラ機で国際線第一便のサンフランシスコ便を就航したときから行なわれていたと聞いています。そして、1960~1970年代のジェット機・DC-8の時代、さらにはボーイング747ジャンボジェットの1980年代まで続き、1990年に廃止となりました。
編集部:36年も続いていたのですね!全員が着物を着ていたわけではないのですよね。
川井さん:着物を着るのはファーストクラス担当のCA(当時はスチュワーデスと呼ばれていた)1名で、旅客搭乗の前に、機内で制服から着物に着替えて旅客を迎えていました。離陸後は着物姿で食事サービスを行なっていました。
元旦のフライトでは、通常はファーストクラスにいる着物スチュワーデスは、エコノミークラス(当時ビジネスクラスはなかった)に足を運び、お屠蘇サービスをして回っていたこともありました。
編集部:着物を着るデューティーはどのように選ばれていたのでしょうか。
川井さん:当時CAたちは、毎月25日になると、乗務スケジュール表が配布されていたのですが、そのスケジュール表に着物Dutyの表記がされていました。当時は、乗務経験年数が平均2,3年の時代でしたので、新人CAたちにもどんどん着物Dutyが入ってきました。
スケジュール表に着物Dutyの表記があるときは、私物を入れる旅行ケース以外に、着物ケースも持っていかなければならないので大変でした。