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優雅に見えて実は!?CAになると毎日、毎年続く試験と試練の日々

藤原 絵里

CAは入社して訓練をしたら終わりではありません。試験と試練の緊張の日々は毎日、そして毎年続きます。すべては空の安全を守るため。CAの訓練や試験の様子をご紹介します。

CAになるまで、CAになってから

CAもパイロットも、2~3次試験を経て入社します。

面接で人柄はもちろん、筆記試験で英語力や一般教養があるかどうかも見られています。

沢山の命を預かる仕事なので、当然ですね。

一番厳しいのは、最終試験の際に提出させられる健康診断。

一般企業より厳しい基準が設けられています。

どんなに素質のある人でも、この健康診断を合格しなければ、飛行機に乗れないのです。

そんな入社試験を突破したCAたちは、その後何事もなくフライトができるわけではありません。

今回は、CAの訓練の様子、フライトをスタートしてからもずっと続く試験の様子をご紹介します。




入社後の健康診断

私が働いていた航空会社では、晴れて内定をもらえても、すぐにまた健康診断がありました。

面接時の健康診断は、一般の病院で指定された検査を受けて提出するだけ。

入社後の健康診断は、会社のクリニックでさらに綿密に検査されます。

色の識別が出来るかどうかや、背骨がほんの少し曲がっている等、せっかく入社出来ても、ここでやむをえず退社せざるを得ない人もいます。

このような健康診断は、航空会社によっては入社前の最終試験で行われ、内定を左右する場合もあります。




救急救命訓練

入社後の救急救命訓練では、救急救命の一般的な知識を身につけます。

乳児から成人の通常の脈拍数や、どんな症状の時、心臓発作や脳梗塞と疑えば良いのか、また、そんな時はどうしたら良いのかなど、かなりの知識を勉強します。

機内での出産にも対応出来るよう、ビデオを見ながら、機内にある道具の使い方等、訓練をします。

出産の訓練の後、特に男性CAは食事が摂れなくなる人もいるとか!?

約1か月の訓練を経て、筆記と実技の試験を合格して初めて、救急救命の証明書がもらえます。




保安訓練

保安訓練では、飛行機の知識を身につけます。

こちらも訓練期間は約1か月。

緊急時のドアの開け方、どの機材ではどこにいくつ消火器があるか、緊急避難ボートがあるか、海面着陸した際の避難の方法、機外・機内から出火した際の避難方法、気圧が下がった場合の対処方法など、考えられる全ての訓練をします。

モックアップと呼ばれる飛行機の模型は、大きなプールに浮いていて、実際に煙が出たり、着陸時の衝撃があったり、窓の外に火が見えたりと、本番さながらの訓練を行います。

テレビなどで見たことがあるかもしれませんが、CA役とお客さま役に分かれ、実際に水中に飛び込み救助する訓練もあります。

消火の訓練では、実際にトイレの形の模型があり、そこに本当の火をつけて消す訓練をします。

トイレのドア越しの炎の音や臭いを実際に体感出来ました。

それを消す怖さも体験出来ました。

訓練最終日には、やはり筆記試験と実技試験があります。

これに合格して初めて免許がもらえます。




機材の免許は機材ごとに必要!

CAが一度に所有出来る免許は、3つのタイプの機材のみ。

わたしは、最初の訓練でエアバス319(320)、300、330を一度に訓練し、免許を取得しました。

数か月後に別の機材の訓練に呼ばれることもあります。

例えば一緒に訓練したわたしの同期は、エアバス300の免許が無くなり、エアバス319(320)、330、ボーイング777の3つのタイプの機材に乗れるようになりました。

一口に飛行機と言っても、ボーイング社とエアバス社では全然違います。

同じエアバス社の飛行機でもドアの数、ドアを開けるプロシージャー、消火器などの機材の保管場所など違ってくるので、都度勉強が必要なのです。




いざフライト!その前にブリーフィングでの確認

救急救命と保安訓練に合格し、晴れてフライトデビューです。

しかし、フライト前のブリーフィング(ミーティング)では、毎回口頭での復習がありました。

質問されるのか以下のような内容です。

・座ったまま意識を失っている人がいたらどうする?
・海上に不時着後、窓の外に炎が見えたらどうする?
・機内前方から煙が見えたらどうする?
・乳児と幼児の正常な脈拍数は?
・顔が真っ赤で手の指をまげて苦しんでいる人がいたらどうする?

等、その時によって質問は様々。

2~3の質問をされ、答えられないとフライトできませんでした。

その日は家に帰らせられ、フライトは別のCAが行き、翌日から訓練に戻ることになります。



免許は必携品

CAにも実際に紙の免許があり、それを忘れたり、期限が切れていると乗務出来ませんでした。

フライトするには、下記3つのセットは必携品。

・乗務出来る機材が明記されている期限内の免許
・救急救命の合格の期限内の免許
・必要な予防接種を受けたことの証明書

その他、行先によっては期限内のビザも必携品。

もちろんビザも更新忘れで切れていたりする場合は乗務はできません。


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