元中東系CAが解説!今イスラム教圏に旅行するなら知っておくべきラマダン基礎知識
2019年も、イスラム教の国々ではラマダンが始まりました。ラマダンとは何なのか、旅行する時の注意すべき点など、元中東系航空会社で働いたCAがラマダンの基礎知識をお話します。
「ラマダン」って何?
ラマダンとは、イスラム教における断食月のこと。地域によっては、ラマダーンと伸ばして発音します。
イスラム歴の9月のことを指します。
イスラム歴は、太陽暦より11日短いので、毎年ずれていきます。
この約1か月間、イスラム教徒は、日の出から日の入りまで、断食をします。
敬虔なイスラム教徒は、つばを飲み込むことさえもしません。
このラマダン、なんとなく聞いたことがあるものの、ちゃんと理解している人は少ないのではないでしょうか。
イスラム教圏が多い東南アジアはもちろん、旅行先としてドバイなど中東の人気も高まってきた今だからこそ、旅行客でも知っておくべきラマダンの基礎知識を解説いたします。
なぜ、断食をするの?
イスラム教では、5つの義務・「五行」があります。
その五行とは、
・シャハーダ(信仰告白)
・サラート(礼拝)
・ザカート(喜捨)
・サウム(斎戒)
・ハッジ(巡礼)
を指します。
つまり、イスラム教徒はこの5つの義務・「五行」を遂行しなくてはいけないのです。
4番目のサウムと呼ばれるものが、ラマダンの期間に行われる断食のこと。
正確には、食事、水分摂取、喫煙、性交渉、悪口、けんかなど、全てNGです。
辛そうなイメージですが、イスラム教徒にとっては待ちに待った素晴らしい1ヵ月なんです。
「ラマダンカリーム!」(ラマダンおめでとう!)
「ラマダンムバラク!」(素敵なラマダンを!)
「ハッピーラマダン!」(幸せなラマダンを!)
イスラム教のお友だちがいらっしゃったら、ぜひ、上記のようなお祝いの言葉を伝えてくださいね。
ラマダン中によく耳にする「イフタール」って何?
ラマダン中、日の入りをむかえ、最初に口にする食事のことを「イフタール」と呼びます。
機内でもラマダン中 のイスラム教の国へのフライトでは、「イフタールボックス」を用意しています。
こちらは、機内では時間の関係で食事ができないお客さまのために、持ち帰って食べていただくもの。
中身は、ヨーグルトやデーツ(なつめやし)などおなかに優しいものが中心です。