見逃さないで女性の不正出血!子宮体がんの早期発見で命を守ろう
2024年12月13日、アストラゼネカ主催のセミナー「子宮体がんの早期治療へ向けて:見過ごされがちな不正出血、スルーしないために知るべきこと」が開催されました。岡本愛光先生と西川忠曉先生が、子宮体がんの特徴と早期発見の重要性等を説明され、トークセッションでは、当事者である藤あや子さんが自身の経験を共有し、早期受診の大切さを訴えました。イベントの様子をレポートいたします。
2024年12月13日、アストラゼネカ主催のセミナー「子宮体がんの早期治療へ向けて:見過ごされがちな不正出血、スルーしないために知るべきこと」が開催されました。
岡本愛光先生(東京慈恵会医科大学 産婦人科学講座 主任教授)と西川忠曉先生(東京慈恵会医科大学 産婦人科学講座 講師/診療医長)が、子宮体がんの特徴と早期発見の重要性等を説明され、トークセッションでは、当事者である藤あや子さんが自身の経験を共有し、早期受診の大切さを訴えました。
ここでは、ぜひ皆さまにも知っていただきたい、セミナーの様子をレポートいたします。
藤あや子さんの体験談
「日本人の2人に1人ががんになるとは知っていたけど、まさか自分が?という気持ちでした。異形細胞増殖症でがんになるかもしれないと言われ、一部ががん化していると診断されて…。」
藤あや子さんは2024年5月に子宮体がんと診断されました。
悪いものはすぐに取ってしまおう、とすぐに気持ちの切り替えができ、その場で手術の決断ができた、と当時を振り返りました。
子宮体がんとは
子宮体部から発生するがんで、「子宮内膜がん」とも呼ばれます。
日本での新規罹患者数は、2020年に約18,000人と2000年時より倍増しており、死亡者数も年々増加しています。5年相対生存率は81.3%と比較的良好で、ステージⅠで治療開始した場合は90%以上とのことから、早期発見が鍵となります。
エストロゲンによる子宮内膜の刺激が長期間続くと子宮体がんのリスクが高まります(エストロゲン非関連タイプもある)。出産経験がない、初経が早い、閉経が遅い、BMIが高い傾向の女性ほどリスクが上昇するといった報告があります。また、家族歴等から遺伝性腫瘍を疑うこともあります。
子宮体がんの最も多い症状は不正出血で、おりものに血が混ざる場合や、閉経後の出血は注意が必要です。進行すると下腹部痛、性交痛、腰痛、下肢のむくみが現れることもあります。
子宮体がんの疑いがある場合、子宮内膜の病理検査を行い、さらに、内診・直腸診、超音波断層法検査(エコー検査)、CT検査、MRI検査などを行う。治療は、手術、放射線治療、薬物療法、支持療法があるが、手術が可能であれば、基本的には手術が選択肢となります。
低い子宮体がんの認知度
「卵巣嚢腫を摘出した経験があり、毎年見てもらっていたんです。でも、子宮体がんについては全然知らなかったです。」(藤さん)
アストラゼネカ社のアンケート調査では、子宮体がんの理解度について、初期症状、好発年齢、罹患しやすい人、発症リスクの4項目それぞれにおいて、子宮体がん患者の7割前後が「全然知らなかった」と回答していたことがわかりました。
これよりアストラゼネカ社は、子宮体がん認知度向上を目的に疾患情報サイトを立ち上げました。
岡本先生と西川先生は、子宮体がんは女性のライフスタイルの変化で増加しているが認知度が低く検診率も低いのが課題であること、特に不正出血は重要なサインだが見逃されがちであり、早期発見のためにも子宮頸がん検診時には超音波検査も一緒に行って頂きたいこと、早期の発見であれば手術の負担も少なく回復も早いことを説明しました。
子宮体がんの最も多い症状は不正出血
「不正出血が続いた時も最初は大丈夫だろうと思っていました。でも夫に相談したら、すぐ病院へ行った方がいい、と後押しされて受診しました。手術後は順調で、歌手活動にもすぐ復帰できました。」と、藤さん。不正出血が起きる以前にも腰痛や軽い不正出血があったものの、年齢的なものかなとの考えがあり、がんとは結び付かなかったそうです。
西川先生は、一般市民にとって不正出血が子宮体がんと結びつかないことは今後の課題であること、特に閉経前後の月経の乱れと不正出血の区別は難しいことを指摘しました。
また岡本先生は、腹腔鏡手術も普及しており早期に治療をすれば予後が良いことを説明し、かかりつけ医を持つことや子宮頸がんの検査時に超音波検査を追加で受診することを勧めました。
女性だからこそ、がん検診を!
日本人のライフスタイルの変化とともに、また、女性の社会進出の増加とともに、子宮体がんだけでなく、乳がんなど女性特有のがん罹患者数は年々増加しています。一方で、日本人のがん検診率は海外先進国と比較すると非常に低いことも指摘されています。
「改めて、自分は早期に発見できたからこそ元気でいられるんだと気づきました。日本は女性が元気でないといけない、日本の女性が中から若く美しく元気であってほしいと思っています。そのためにもぜひ検診をよろしくお願いします」と藤さんが最後に語られた想いは、当事者の声として、非常に心に残るものでした。