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『タイル百年祭-TILE CENTENARY FESTIVAL-』レポート

CA Media編集部

「タイル」と聞いて思い浮かぶのは浴室、キッチンなどモザイク状のタイル張りを想像される方が多いかと。一方、海外の「タイル」は、床タイルや内装壁タイルの種類が主流で、日本と少し違いがあります。ただ、最近では、建築家や空間デザイナー、ADなどのクリエイターも注目する素材となっていると聞き、タイル名称統一100周年という記念イベントにお邪魔してきました。

「タイル」という名称に統一されて100周年!そもそも「タイル」の語源とは?

 タイルは、英語でtileと書きますが、語源はラテン語のテグラtegulaからきており、物を覆うという意味があるそうです。最初のタイルは瓦から始まったとも言われているそうです。タイルは、簡単に言えば、粘土などを主原料にし、高温で焼いたもので、建物の内外装の床や壁に覆う平板上で陶磁器製の建築材料のひとつとなります。多くのタイルは、正方形、長方形などの素材を並べて使用し、劣化や変色、変質がなく、熱、火、水にも強いためお手入れしやすいのが主な特徴です。



今まで建築材料としてわたしたちの生活に馴染んできたタイルが最近では、そのポテンシャルに注目が集まり、次世代にフィットしたものとして建築家や空間デザイナー、ADなどのクリエイターたちが注目する素材となっているそう。そんな話を聞きつつ『タイル百年祭-TILE CENTENARY FESTIVAL-』(多治見市美濃焼タイル振興協議会、全国タイル工業組合)というイベントが開催され「タイル」の未来についての展示やトークセッションがあるという情報を入手し、早速、会場となっている原宿dotcom space tokyoに行ってきました。


まずは、未来「タイル」の展示スペースを見学

 「タイル」の未来についてトークセッション『タイル未来会議』まで時間があったので、タイルの未来がわかる展示スペースを見学。会場に入るといきなり出迎えてくれたのは全身が「タイル」コスチュームに覆われたスパイダーマンか戦隊ヒーローのような人型オブジェ。この作品は、〝Iam TILEMAN〟と称し、様々なタイルのオブジェを創作している大阪のタイル職人・株式会社マイトの佐々木康至さんの作品。




会場では、キリンのタイルオブジェを創作中で、タイル張りの実演も見ることができました。


クッキーやアクセサリーまで・・・サステナブルな未来「タイル」

まず、会場で目を引いたのは、タイル型をしたクッキーでした。この“タイルのクッキー”は、高度成長期に建てられた古い建物、とくにヴィンテージマンションや昔からある駅などを観察するのが好きで、サイケデリックでキュートなスイーツを制作するpsychedelic sweets spicaとして活動中のクッキーアーティスト・haco(ハコ)さんによるものだそうで、限定販売されていました。





次に見学させていただいたのは、「タイル」のセレクトショップ「TOUCH THE TILES」。その中でも、まず最初に紹介させていただきたいのは、タイルを一枚から気軽にご購入いただけるブランド「TILE KIOSK」のコーナー。「TILE KIOSK」は、窯元に眠っていたデッドストック、長い間作り続けられているものから新しく生まれた「タイル」にスポットを当て販売しています。時には、実験的に作られた希少なプロトタイプまで、色や形、サイズ、年代も実にさまざまなタイルを販売しています。「TILE KIOSK」は、まさにタイルのサステナブルなのです。

「TOUCH THE TILES」では、“手に触れる、歴史に触れる、未来に触れる”をテーマにセレクトしたタイルアイテムやアクセサリー、時計またアーティストとコラボしたタイルグッズなど、まさか「タイル」がインテリアやアクセサリーになってしまうことに大変驚くと同時に「タイル」がより身近に感じられました。





タイル未来会議 CENTENNIAL VISION

 最後に“タイル”という名称に統一され、100周年を記念したタイルの未来を語るパネルディスカッション「タイル未来会議 CENTENNIAL VISION」に参加させていただきました。このパネルディスカッションでは、NHK Eテレの子供向け人気番組「デザイン あ」で総合指導を務め、銀座松屋のタイル張りの地下通路をプロデュースしたグラフィックデザイナーである佐藤卓さん、LOUIS VUITTON 京都大丸店や東急歌舞伎町タワーなどを手掛けた建築士の永山祐子さんといったトップクリエイターの方と世界のタイル博物館館長の後藤泰男さん、全国タイル工業組合理事⻑の木野謙さんらタイルに携わる方々とのトークセッション。

このセッションでは、タイル100年の歴史を振り返り、タイルの未来や可能性について、話されていました。




「タイル」というのは、私たちの中であまりにも日常に溶け込みすぎ、正直、あまり意識したことはありませんでしたが、『タイル百年祭-TILE CENTENARY FESTIVAL-』に参加させていただき、いつも歩いている道すがら、こんなところにも「タイル」が使われているのか!という新しい発見もありました。


いつも歩いている道、いつも見ている風景の中で、タイルを見つけてみたりするのも、ちょっとした楽しみになりました。


未来会議の中で、銀座松屋のタイル張りの地下通路をプロデュースした佐藤卓さんが「実はまだほとんど気付かれていないのですが、地下通路のタイルの中に隠し猫ちゃんがいるんですよ。6匹隠れていますので、近くに行ったら、ぜひ探してみてください」とおっしゃっていました。なんて可愛らしい楽しみをくださるのでしょうか!


今やタイルは建築資材のみなならず、アートやアクセサリーなど、新しいタイルの未来が感じられるイベントでした。


タイル名称統一百周年記念サイト
https://touchthetiles.jp

公式Instagram
https://www.instagram.com/





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