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【CA交流会】意外と知らない日本酒の基礎&感動した日本酒とチーズのペアリングなどをレポート

CA Media編集部

コロナ禍のため、しばらく実施できなかったCA交流会を3年ぶりに開催。機内やさまざまなシーンで日本酒を提供することが多いCAだからこそ知っておきたい基礎知識に加え、最近トレンドとして注目の日本酒カクテルなどを、国内約1,700の酒造メーカーが所属する日本酒造組合中央会の皆さんに教えてもらってきました。その様子をレポートします。

コロナ禍で3年ぶりに開催したCA交流会。テーマは「日本酒」

コロナ禍のため、ずっと開催できなかったCA交流会。


メンバーの皆様からのリクエストも多く、今回3年ぶりにしっかりと感染症対策を行った上で開催いたしました。


テーマは日本酒。最近、海外でも人気が高まり、おすすめの日本酒などについて聞かれる機会も増えています。


今回は知っているようで知らない日本酒の基礎から、チーズと日本酒のペアリングなど日本酒造組合中央会の皆さんに教えてもらってきました。その様子をシェアいたします。レポートします。アメリカで流行している低アルコールの炭酸飲料ハードセルツァーをイメージし、日本酒をトニックウォーターで割って飲むサケセルツァーを今年の夏に日本の酒情報館で提供したことなど、日本酒の新しい楽しみ方がどんどん広がっていること。そして、意外と低アルコールやフルーティで爽やかな香りの日本酒、そしてスパークリング日本酒など、女性や日本酒初心者でも比較的飲みやすいものが数多くあるからです。


知っておきたい日本酒のタイプと季節のお酒

今回ご協力いただいたのは、日本酒造組合中央会が運営する日本の酒情報館館長の今田周三さん。


日本の酒情報館は、歴史と文化を含む日本酒の魅力のすべてを「見て・触れて・体験する」ことを通じて世界中の人に知っていただくことを目的としていている施設です。



Welcomeドリンクとしてご提供いただいたのが「サケセルツァー ミント」

この「サケセルツァー」は、夏期間限定で日本の酒情報館で提供していたもので、今回特別につくっていただきました。


提供していた「サケセルツァー」は、ミントとライムの2種。今回提供していただいた「サケセルツァー ミント」は、添えたミントの清涼感とマスカットのように甘くフルーティなエルダーフラワー、トニックウォーターとのバランスが絶妙で、これが日本酒?と思ってしまうような飲みやすさでした。


この日は雨でとても蒸し暑かったので、より美味しく味わえました。





そしていよいよ本題へ。まずは、今田館長の知っておきたい日本酒のタイプと季節のお酒について実際にテイスティングしながら学んでいきます。



まず、知っておきたいキーワードは「吟醸」。吟醸酒はすっきりとして香りの良いお酒のことで、「澤乃井 大吟醸」をテイスティング。雑味のない上品で華やかな香りでスッキリといただけました。



次は「純米」。ボディのしっかりしたお酒という「惣誉(そうほまれ)生酛特別純米」をテイスティング。生酛づくりという昔ながらの製法で酸味があり、コクのある旨味が感じられました。明らかに吟醸酒とは異なります。





次に「生酒」。加熱処理しない生酒は、フレッシュで爽やかなお酒とのこと。そのほかに、にごり酒、うすにごり、おりがらみ、スパークリング、古酒、貴醸酒についてお話しいただきました。


貴醸酒は、日本酒造りの工程の最終段階で、仕込み水の代わりに日本酒を入れて仕込んだお酒とのこと。とろみがあって、香り豊かで甘口なのが特徴で、デザートワインのようなイメージです。

今回は「満寿泉 貴醸酒 オーク樽熟成」をテイスティングしました。このお酒は、ワインで使われるオーク樽で熟成させたという大変珍しいものだそう。濃厚なはちみつのような甘みのある風味が口の中で広がり、とても日本酒とは思えない味に、思わずびっくりしてしまいました。



今が旬のお酒。秋の「ひやおろし」



また、日本酒は、季節の移ろいを感じることができるお酒でもあります。まず春の「春酒」、夏には「夏酒」、秋の「ひやおろし」、そして冬の「新酒」というように、日本の四季に合わせて楽しむことができるのも、日本酒の大きな特徴のひとつです。


今回は、ちょうど各酒蔵から出荷されたばかりの「ひやおろし」をいただきました。試飲させていただいたのは、「桂月 吟之夢 純米吟醸酒55」「☩旭日 純米酒 ひやおろし」の2つ。春に搾ったお酒に一度だけ火入れを行って、夏の間に熟成させてから出荷する「ひやおろし」。まさに秋を感じるお酒です。



日本酒とチーズのペアリング



次の講師は、日本酒造組合中央会理事の宇都宮 仁さん。清酒の成分や官能評価法に関する研究に従事され、果実酒等の品質表示基準、地理的表示等の策定に参画されていたそうです。酒類の官能評価、日本酒ペアリングを科学的に解説できる第一人者の方で本も出版されているすごい方なのですが、とてもフレンドリーにお話いただきました。




用意されたチーズはイタリアの代表的なブルーチーズのゴルゴンゾーラと硬質で水分が少なくうまみがギュッと詰まったフランス東部で生まれたコンテチーズ。先ほどの5種の日本酒とペアリングしていきます。


チーズといえばどうしてもワインをイメージする方が多いと思いますが、海外では意外にも日本酒と合わせる人が多いそうです。


チーズの特徴は、乳たんぱく質が分解したアミノ酸(うま味)があることと、塩辛さに加え、ワインでは好ましくないとされる発酵の香りが含まれるので、実はチーズとワインを合わせるのは難しいそうなのです。


うま味のもとであるグルタミン酸をチーズの種類ごとに分析したデータをみながら、グルタミン酸を多く含むコンテチーズとあまり含まないゴルゴンゾーラとの違いについてお話しがありました。これにより、ビールやワインに比べて、日本酒はグルタミン酸が多いため、熟成させたチーズと相性がいいことが分かりました。


実際に日本酒とペアリングしてみてその相性の良さに感動しました!特に「満寿泉 貴醸酒 オーク樽熟成」とゴルゴンゾーラチーズとの相性は最高で絶賛の声の嵐。日本酒があまり得意ではなかったという参加者も感動されていました。


また、興味深かったのは、ワインと日本酒は、チーズとの組み合わせで異なる効果を発揮するというお話。日本酒は、チーズの味がよくわかり、ワインは濃厚なチーズの味が控えめに感じられるので食べ飽きないということでした。




日本酒の新しい楽しみ方や初心者がまず覚えておく日本酒の種類や違いなどを、実際に飲み比べしながら学んだことで、味覚と頭両方で理解することができました。


最後の質問コーナーでは多くの質問が寄せられましたが、その中でも興味深かった回答が意外にもお寿司と日本酒のペアリングが一番難しいということでした。


なぜ難しいかは、お寿司のネタが多いことだからだそう。例えばマグロのトロに合うお酒、ウニに合うお酒というように握りごとにネタが違うこと。本来なら寿司ネタごとに、合う酒が違ってくるからなのです。お寿司というひとくくりで合うお酒をを選ぶことができないために難しいようです。


難しいといわれる日本酒ですが、今回今田館長と宇都宮理事のお話は、わかりやすくフレンドリーに解説していただいたので、ますます日本酒への興味が広がる交流会でした。


今回のCA交流会に参加できなかった人も、この記事をご覧になっている方も、日本の酒情報館に行けば、日本酒についてや見学できる酒蔵などを教えてもらうことができます。


予約なしで立ち寄ることができますので、興味のある方はぜひ足を運んでみてくださいね。


  

日本の酒情報館

住所:東京都港区西新橋1-6-15 日本酒造虎ノ門ビル1F

営業時間:10:00~18:00

休館日:土・日・祝日・年末年始

電話:03-3519-2091

URL: https://japansake.or.jp/JSScenter/






 





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