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難関続き!?中東系航空会社のビジネスクラス訓練の裏側

藤原 絵里

ビジネスクラスに乗務しているCAはどんな訓練を受けているかご存知ですか?豊富で細かい知識を短期間で習得する中東系航空会社の訓練をご紹介します。

ドキドキの昇格のお知らせ!?

私が在籍していた中東系航空会社では、ビジネスクラスで乗務できるCAになるためには少しドキドキする経験から始まります。

まず、会社のメールボックスに昇格のお手紙が入っていたらそこからスタート!

手紙には給料等の雇用条件が記載されており、同意して昇格を受け入れたら、訓練に入ります。


なかには断るCAもいて、全員が全員受け入れるとは限りません。

国籍も入社時期も全く違う15名が集められ、8日間の訓練の開始です。

今回はそんなビジネスクラスの訓練の様子をご紹介いたします。




覚えることが多すぎる!?アルコール類

ビジネスクラス訓練の最初の難関は、アルコールです。

エコノミークラスの10倍程の種類を覚えなければなりません。

中東系はイスラム教なので、訓練で使うワインは空っぽの瓶。

街中でアルコールを買うことも出来ないので、帰宅後に自分で飲んで確認するという復習もできません。

味も香りもイメージできないので、言葉だけで覚えます。

ワインの開け方、持ち方、見せ方、注ぎ方も訓練で習得します。

もちろん、ワインの名前、ブドウの種類、年、味なども基本知識!

ワインに外にもカクテルの名前と作り方、合うお料理、おススメ等、覚えることが山ほどあります。

また、ワインリストは常時変わっていくので、ブラッシュアップも常に必要です。




実は奥深いチーズ

アルコールの次に待ち受ける難関は、チーズです。

チーズと一言で言っても、実はとても奥深いのはご存知ですか?

ビジネスクラスでは、実際にお出しするチーズの名前、国、味、種類、切り方を覚えなければいけません。

チーズは種類によって切り方も違いますし、合うワインも違います。



また、フライトに搭載されるチーズは行き先によって異なるので、ビジネスクラスでの乗務が始まった後も毎回勉強です。

ロシアやフランスのフライトでは、ベースからは行きの分のチーズしか搭載せずに出発し、帰りの分は現地でチーズを補充します。

インド等チーズがあまりメジャーではない国の分は、ベースから載せていきます。




日本人にとってハードルの高い中東の食べ物

私にとって難しかったのは、中東の食べ物を覚えること。

食べながら覚えられたら良いのですが、写真だけで、料理名、味、材料などを覚える必要があります。

もともと中東の料理になじみのない日本人の私は、材料を聞いてもその材料がどんなものなのかさえ分からない状況でした。


味も香りもイメージさえつきません。

そのため、お休みの日にレストランに行ったり、ルームメイトのモロッコ人に作ってもらいながら覚えましたが、現地の料理に精通していない状況でもプロとして説明できるまで覚える必要があるのは、まさに外資系で働くCAならではかもしれませんね。




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