美容や子供の食育にも!注目の「発酵」を学べる、3日間のこうじ作りワークショップ”をレポート
”日本のこうじ菌を使った伝統的酒造り技術”がユネスコ無形文化遺産登録を目指していることをご存じでしょうか。こうじ菌は、しょうゆ、みそ、日本酒や焼酎、みりんをつくるとても大切な菌。お米を蒸し、こうじ菌の種をまいて育て、こうじを作ることで、こうじ菌や酵母の持つ力を確かめる3日間のワークショップをレポートいたします!
ユネスコ無形文化遺産登録を目指す!”日本のこうじ菌を使った酒造り技術”とは?
突然ですが、”日本のこうじ菌を使った伝統的酒造り技術”がユネスコ無形文化遺産登録を目指していることをご存じでしょうか。
私たちにとって身近なパン、ヨーグルト、しょうゆ、みそ、それから日本酒などのお酒は微生物の力を利用してつくられています。特にこうじ菌は、しょうゆ、みそ、日本酒や焼酎、みりんをつくるとても大切な菌です。
今回は、お米を蒸し、こうじ菌の種をまいて育て、こうじを作ることで、こうじ菌や酵母の持つ力を確かめるワークショップに参加してきました。
日本酒造組合中央会の協力により、東京・西新橋のオフィスビルで開催された本イベント。
東京の真ん中で、専門家の指導の下、こうじ作りができる貴重な機会です。
今回は初回ということで、参加者は5名。夏休みということもあり、小学生の方もお二人ご参加されていました。
日本の食文化を学べるので、子供の食育にも最適です。
こうじはお米を蒸してからこうじが出来上がるまで時間がかかることもあり、3日間(いずれも半日)かけて行われた、こちらのワークショップの様子をレポートいたします!
1日目:米麹づくりスタート
米麹から作られるものは身近に多く、日本酒、しょうゆ、お味噌、パンにも使用されています。
その米麹をつくるための材料は、なんとたったの二つ!
・お米(今回は酒造好適米 山田錦70%を使用しています。吸水力が違いました!)
・種麹(糀屋三左衛門)
まずはお米(300g)を量ります。
優しく洗って、水を吸わせます。
そして蒸します。ビルの駐車場での蒸し作業、貴重な機会でした。
温度を40度程度まで冷やしたら、種麹(1g)を2~3回にわけて撒きます。
発酵器(パン発酵器)にいれて、これから時間をかけて育てていきます。
2日目:米麹ができるまでもう少しかかるので、今日は甘酒づくり!
米麹は、蒸しあがりの”もちもち”した感じから、固く、ところどころ白いかんじに変化していきます。
固くしまった固まりを手早くかつ丁寧にほぐしたら、布にくるんで発酵器でまたゆっくり過ごしてもらいます。
もう少し時間がかかるので、今日は同じく麹のパワーを感じられる甘酒づくりに挑戦。
甘酒は自宅でも簡単にできちゃいます。
甘いのが苦手な方には酸味のある味わいのものも作れるので、ぜひチャレンジしてみてください。
【用意するもの】
レトルトパックご飯 100g
乾燥麹 100g
お湯(70℃) 300mL
ステンレスボトル 800mL
※乾燥麹は甘い味わいが好きな方は黄麹のみ、酸味がお好きな方は白麹を。黄麹、白麹50gずつ計100gにすると、バランスの取れた味わいが楽しめます
(購入は黄麹なら糀屋三左衛門 オンラインショップ(黄麹)やもしくはスーパーでマルコメプラス糀手作り甘酒用、ミヤコ麹、白麹ならおたまや オンラインショップもおすすめです)
①レトルトパックご飯を2分間レンジにかけます
②保温機能つきのボトルに70℃のお湯を入れます
③乾燥麹を100g加えます
④ごはん100g(1パックの半分)を入れ、目標温度を60~65℃にします
⑤12時間後にできあがり!
白麹、黄麹、ブレンド3種類で飲み比べてみましたが、個人的には白麹・黄麹のブレンドが飲みやすく感じました。
3日目:ついに自家製米麹の完成!
3日間かけた米麹がついに完成!
見た目にはわかりづらいですが、一日一日時間が経つごとに変化を見せていて、ここまでくると麹への愛着も格別です。
3日間、教えてくださった、日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術の保存会の宇都宮仁先生。
参加してみて
始まる前は3日間は長いかと思いましたが、終わってみるとあっという間でした。
それも、小学生と机を並べて、実験を交えて、知らなかったことをその道の第一人者に教えてもらえることが新鮮で実りある時間だったからこそだと思います。
こうじが持つ発酵パワーが身近にあふれていること、一方でそれは国際的に見て日本が誇る伝統的な技術であることを改めて知ることができ、自分の視野が少し広がったような感覚を覚えました。
ユネスコ無形文化遺産登録も間近ということはきっと、これからますます、こうじが持つ発酵パワーが注目されるのではないでしょうか。
美容面でも「発酵」をキーワードに日常に取り入れていらっしゃる方も多いと思いますが、ぜひお料理でもこうじを積極的に使って、ご自身の好みのお味噌や塩こうじ、甘酒を作ってみては。
ちなみに、私は、持って帰った米麹でお味噌を仕込むつもりです。
食育を兼ねて子供と一緒に作ってみるのも楽しそうですね。