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地球温暖化など年々災害が激甚化。助かる一歩に向けたシンポジウム開催

CA Media編集部

年々、災害が激甚化し、国や市町村だけでは命が救えない危機感が募る中で、私たち一人ひとりが、災害時に自ら“助かる“意識を持つことこそが、多くの命を“助ける”につながるという想いで共感した複数の有志団体が集結し「たすかる一歩プロジェクト」としてシンポジウムなどが開催。そのシンポジウムに参加してきました。


災害時には、自ら“助かる”意識を持つことこそが、多くの命を“助ける”につながる



地球温暖化などが原因で、年々、災害が想定外の被害が発生するなど、国や市町村だけではサポートしきれず、本来なら助かる命も助からない状況が発生するなど、決して私たちにとっても他人事ではありません。そこで、私たち一人ひとりが、災害時に自ら“助かる”意識を持つことこそが、多くの命を“助ける”につながるという想いに共感した複数の有志団体が集結し「たすかる一歩プロジェクト」としてシンポジウムなどが開催されるということで伺ってきました。


そのきっかけは、社会貢献活動として防災に着目していた日本プロ野球選手会が、災害が起きてからの寄付ではなく、選手のメッセージ力を「防災」の原点とも言える“その日の備え”に生かすような活動にしていくために、災害時の初動に特化した公益社団法人シビックフォースとともに「選手会ファンド」を2年前に設立したことでした。


現役選手による啓発メッセージ映像の作成やオークションなどの資金で支援し、野球イベントと防災啓発を組み合わせた「みんなDE防災」を実施。10 月1 日に同イベントが秋田県大館市で行われた際に、自然エネルギーで発電し、トラック等で被災地に移動可能なコンテナ収納移動型電源ユニットのエヌキューブを開発したNTN株式会社が出展協力することになったのを機会にこの展示を東京でも行い、またさまざまなフィールドで災害有事に備えるチカラを大きくしようとする有志が集まり、シンポジウム実現につながりました。


代官山T―SITEに防災コンテナが出現


会場となったのは東京の代官山T―SITE 。普段は書店やカフェを訪れる人向けに、新車の展示などが行われるスペースに突如、風車と太陽光パネルを積んだコンテナが出現。このコンテナは、自然エネルギーによる移動型発電ユニット N3(エヌキューブ)といって、ベアリングで知られるNTNの新たな事業として開発された風力、太陽光などの再生可能エネルギーをコンテナに集約した発電ユニットで、災害時には支援物資と共にトラック等で出動し、被災地への電力供給を行うというもの。





現在は、防災倉庫や水防センター、クーラーなど空調のきいたバス停留所としても活用され、自動販売機もエコな電力で稼働。災害時には電力供給所として活躍する仕組み。また、また観光地ではこの技術を応用したエコトイレも設置され、循環式で、いやなにおいも発生しにくく、特に女性客にとって清潔なトイレは重要であり好評のようです。


また、電動キックボードを扱う企業等との連携も進み、電源インフラが届かない観光地に設置し、普段は観光案内所、災害発生事は救援ステーションとしての活用も期待されるとのことで、この日は実際に代官山を訪れた一般客へも携帯電話の充電サービスも行われました。





シンポジウムで語られた災害時での体験やこれからの「防災」のあり方にも提言


シンポジウムでは一般社団法人日本総合研究所松岡理事長が登壇し、日本の経済を国民の安心安全を軸に再編することを目的に、医療防災産業創成協議会が立ち上がり、議連も発足したことが報告されました。6月には協議会参加企業とともに道の駅を防災拠点にする実証実験が福島県猪苗代町で行われ、こちらでもコンテナの有用性に注目。独自に開発したコンテナで実装デモを行うなど、駐車場も広い道の駅を活用し、コンテナのコスト面での課題に対応するため、平常時の活用も重要なポイントとして挙げられいました。


続いて、災害時でのN3(エヌキューブ)の実働事例についての話があり、2019年、大型台風が千葉で大停電をもたらした際には、三重県の研究所から、要請の意思を確認できた鋸南町と富津市に出動したそうです。





避難所に置いたところ、周辺には電気も通らず、携帯基地局も機能しないため、住民の携帯の充電・中継場所として大変喜ばれた経験が語られました。また、コンテナにはテレビもあり、災害の情報収集にも役立ったそうで、このような場所ができたことを防災放送で知った多くの人の集会所となり「明日もここで会おう」と約束しあったり、来ない人への安否確認も行われるなどのコミュニティが生まれたことが「たすかる一歩」に繋がると教えてくれた。


また、有事に生きる地域コミュニティづくりの重要性や、助かる側が、自ら助けやすさにつなげるための情報提供を“私のヒナンヒョウメイ”として行うアイデアなども披露されるなど、同じ志を持つ同士での次の一歩を考え、協同していくことを確認し合いました。


東日本大震災や北海道胆振東部地震で国としての支援チームを統括した経験を持つ、元経済産業省 中小企業庁長官の前田さんは、「1人が助かると、その人が誰かを助けられるなど余力が生まれる。そのため自分たちで“助かる一歩”が大切」だと語る。また、「都会の災害は報道されるが、地方の災害についてはあまり大きく報道されないため、知らない人も多い。そして知っても忘れられていくため、世の中の関心がなくなっていくことが一番怖い」とも。忘れられない仕組みをどう作り出すか。また女性の生理用品など、本当に欲しいものが届かない支援品のミスマッチの課題、そして独居老人や居場所が定まらない若者など、有事の弱者は誰なのかという視点を持つことが救援以前に必要だと語っていました。





いつどこで起きるかわからない災害だからこそ、忘れずに、私たち自身がしっかり備えておくこと。そして、“助かる”意識を持つことこそが、多くの命を“助ける”につながるということを改めて感じたシンポジウムでした。


決して他人事ではない災害。皆さんももう一度「防災」について考えるきっかけになってくれれば幸いです。




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