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繰り返す気管支炎や副鼻腔炎、実は免疫の異常かも?「PID(原発性免疫不全症)」の症状と治療法を解説

CA Media編集部

新しい季節や環境へのストレス、気温の変化などで免疫力が低下するこの時期。もし、気管支炎、肺炎、中耳炎、副鼻腔炎を繰り返すことがあるなら、PIDという免疫障害の可能性があります。ここでは、自分でできるチェックテストやPIDの原因や対策について、分かりやすく解説いたします。

風邪やアレルギーと間違えやすい「PID(原発性免疫不全症)」

新生活による環境の変化や朝晩の気温差など、何かとストレスの多いこの時期。

実は体調が優れないという方も少なくないのではないでしょうか。


慣れない環境になるこの時期は、一般的に免疫が低下しやすいと言われていて、免疫の働きが低下すると、風邪や気管支炎などの感染症にもかかりやすいと言われています。


しかし、もし季節に関係なく、気管支炎・肺炎・中耳炎・副鼻腔炎などの症状を繰り返しているようなら、免疫のどこかに生まれつき障害のある病気「PID(原発性免疫不全症)」の可能性もあります。


風邪やアレルギーなどとも見分けがつきにくいため、成人になってから発覚する人も多いと言います。


ここでは、PIDの専門医である東京医科歯科大学大学院小児地域成育医療学講座 教授 金兼弘和先生のお話をもとに、免疫やPIDの特徴的な症状や治療法についてご紹介いたします。


自分で簡単にチェックできるPIDチェックシートもご紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。



免疫とは?

免疫とは、人間が生きていく上で重要な役割を果たす、体の防御システムのこと。

体内に入ってきた病原体やアレルゲン、がん細胞など、自分の体を構成する細胞や物質とは異なる“異物”を見つけ出して排除する仕組みです。


様々な特徴を持った免疫細胞が協力しながら常に異物を取り除いているおかげで、私たちは感染症の発症が防げたり、かかったとしても治すことができるのだそう。


しかし、免疫力が低下すると、様々な異物を排除することができずに感染症などが発症しやすくなります。



「PID(原発性免疫不全症)」ってなに?


PID(原発性免疫不全症)とは、生まれつき免疫力が弱い希少疾患のことです。


PIDは、成人になっても診断のつかない方が多いのですが、現在診断のついた PID 患者数は 2,500名*を超えると言われていて、成人患者(20歳以上)に限ると、1,908名*がPID指定難病受給者証を持っているそうです。

*難病センター:令和3年度末現在特定医療費(指定難病)受給者証所持者数、小児慢性特定疾病情報センター:小児慢性特定疾病児童等データベースへの登録状況(2018年度)


一方、PID患者*は出生10,000人当たり1人の割合で生まれると報告されていることを考えると、診断されていないPID患者さんが多くいると推定されています。

*難病センター:原発性免疫不全症候群(指定難病65)


未診断の患者さんは、適切な診療を受けられずに仕事や社会生活に支障をきたしてしまったり、感染症が悪化した時に生命の危険にさらされたり、難聴や気管支拡張症などの後遺症を残すこともあると言います。


適切な治療を受けるために未診断患者さんの早期受診、早期診断が求められています。



「PID(原発性免疫不全症)」の主な症状は?

PIDの特徴的な症状は、「気管支炎」「肺炎」「中耳炎」「副鼻腔炎」などを繰り返すことです。


また、発熱や咳がいつまでも続く、口内炎ができやすい、アレルギー疾患にかかりやすいなどが挙げられます。PIDの症状は、他の病気やアレルギーと似たような症状が出るため、早期発見が難しいとされています。



PIDセルフチェックシート

もしかして、と思う方は、東京医科歯科大学大学院小児地域成育医療学講座 金兼 弘和教授監修のPIDチェックシートでチェックしてみてください。



PIDチェックシート




10の徴候のうち2つ以上当てはまるものがある場合は、医療機関での受診が勧められています。


詳しくはPID情報サイト「くりかえす気管支炎、肺炎、中耳炎ナビ」(運営:武田薬品工業)で確認できます。



「PID(原発性免疫不全症)」の治療法は?

PIDの治療法は、主に下記のようなものが挙げられます。


1. 感染症に対する適切な抗菌薬の内服

2. 疾患に応じて抗菌薬の予防内服

3. 症状に応じて免疫抑制薬などを処方


体内で免疫グロブリンが少ししか作られない低ガンマグロブリン血症の場合には、免疫グロブリン補充療法を行います。

(病院で行う点滴静脈注射と自宅で行う皮下注射の2種類あり)


多くの患者さんは抗菌薬の予防投与や免疫グロブリン補充療法を行うことによって、通常の社会生活を送れると期待されます。



早期発見が大切!

成人になっても診断がつかないくらい、症状を見分けることが難しいPID。


早期発見し、適切な治療を受けることで通常の社会生活を送れる期待できるので、セルフチェックシートでチェックして、少しでも気になる項目がある方は、ぜひ早めに医療機関を受診されてみてくださいね。


さきほど紹介した「くりかえす気管支炎、肺炎、中耳炎ナビ」では、PIDの診療ができる医療機関の検索もできるので気になる方は参考にしてください。

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