コロナ死者ゼロ!国民支持率の高いベトナムのコロナ対策を元CA駐妻がレポート (2/2ページ)

「国民よ、君たちは戦士だ!」という首相の一声で国民の心をひとつにしたベトナム政府。感染者数は横ばいで、死者はいまだにゼロ。国民の命を第一に考え、「やりすぎでは?」と批判されても決してブレない首相のリーダーシップと現地の様子をベトナム在住の筆者がレポートします。
運命の分かれ道?帰国か残留か
3月、日本の本社から夫に通達がありました。「帯同家族の帰国許可」が正式におりたのです。
ベトナムで新型コロナウィルスに感染すれば、ベトナムの医療水準による治療を受けることになります。そのため、ほとんどの駐妻たちが子供を連れて帰国しました。
確かに、治療技術では日本が勝るかもしれません。ですが、私は躊躇なく残留を選びました。
子供がいないこともありますが、理由はそれだけではありません。今回のコロナ騒動をとおし、ベトナム人の底力というものを肌で感じました。そして、「彼らとともに、この場所で踏ん張ってみたい」という想いが芽生えたのです。
一番大切なもの、それは国民の命
「国民よ、君たちは戦士だ!」という首相の呼びかけのように、ベトナム政府はプロパガンダを巧みに利用して国民の心を鼓舞することが上手です。
そして、自国民の命を守るためなら妙な遠慮や忖度は一切しない潔さを感じます。一部ではやりすぎという見方もあるようですが、感染拡大の阻止においては、成功例とみてよいと思っています。
ホーチミンの夜景には「WE」の2文字が浮かび上がっています。「WE stand strong! WE support our government!(立ち向かおう!わが国家とともに!)」という力強いメッセージです。
国や地域の特性によって対策は様々かと思いますが、発展途上国でありながらも官民一体となりコロナに立ち向かう姿を、先進国の皆様にこそぜひ読んでいただきたいと思いました。
一刻も早い新型コロナウィルスの終息を祈っております。